【あらすじ】スマホを落としただけなのに 志駕彰
麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され……。
宝島社(https://tkj.jp/book/?cd=72706601)
主人公である麻美の彼氏 、富田のスマホを男が拾ったことで物語は始まる。
画面に映った2人の写真をみて麻美のことを気に入ってしまう。
麻美から電話がかかってきたことで、麻美のフルネームを把握した男はFacebookで検索をかける。
麻美自身は個人情報をほとんど記載していなかったが、彼氏の富田は出身校から生年月日まで自身の情報を上げていた。
そこからスマホのパスワードを見つけ出し、富田のはもちろん、麻美の個人情報を少しずつ集めてゆく。
語り手が変わり、刑事の毒島は神奈川県の山中に死体が遺棄された現場で捜査をしていた。
遺体は全裸で白骨化しており、身元がわかるものが何一つなかった。ただ、麻美と同じく長くて綺麗な黒髪の女性だった。
大雨が降った次の日にも別の死体が発見され、こちらも黒髪の女性だった。
さらに同じ山中の別の場所で人が入る大きさの穴が見つかり、他にも死体が埋められているのではないかと疑惑が出てくる。
男は麻美と富田の交友関係や周辺の情報を徹底的に調べていく。
そして、偽名のアカウントや、2人の友人に成りすましたアカウントを作成することで、2人や友人たちに接触していく。
友人の加奈子からFacebookを教わり、すこしずつはまっていく麻美。
その中で、大学時代の元カレ武井を見つけ、悩んだ結果友達になり再び連絡をとるようになる。
大学時代に武井とは短い付き合いだったが、その裏には色々な事情も見え隠れする。
また、麻美の周りでは奇妙なことが立て続けに起こる。
富田へのクレジットカードの不正請求、加奈子への不審なメール、妙にしつこく連絡をしてくる富田の会社の人事部の小柳…。
富田のスマホが何者かに脅迫されたことで、事態はさらにエスカレートしていく。
今では誰でも所持しているスマートフォン。
便利で手放せないものになっているが、それは個人情報がたくさん詰まっている。
自分自身だけではなく、中に入っている友人知人、仕事関係者など。
誰にでもあり得たかもしれない、日常に起こり得る恐怖を感じるサスペンス小説となっている。
ぜひ読んでみて、自分のセキュリティを見直すきっかけにしてほしい。
映画化もされています。
時間がない方はこちらで楽しむのもいいと思います。
Amazonプライム会員になれば、プライムビデオでも見ることができます。
30日無料体験もできます。