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【あらすじ】震える牛 相場英雄

 

 捜査一課継続捜査班に所属する田川信一は、迷宮入り濃厚な目立たない未解決事件を担当する刑事である。

上司である宮田次郎から命じられた仕事は「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」であった。

特命捜査対策室が扱えない、やっかいな事情がある事件だという。

 

 「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」はJR中野駅の北口商店街で起きた事件で、発生から2年を経過していた。

全国チェーンの居酒屋「倉田や」に、全身黒ずくめで目出し帽を被った男が「マニー、マニー」と叫びながらレジを襲った。

そのとき刃物で店員を切りつけ、さらに近くに居合わせた客の首を刺し、2人を殺害した。

この状況から不良外国人による強盗殺人と断定し、捜査を開始していた。

 

しかし、やっかいな事情とは別のところにあった。

当時の特別捜査本部指揮官の中に、第二強行犯担当監理官の欄にキャリアの矢島達夫があった。

 矢島は現在、特命捜査対策室の理事官に昇進している。

矢島が関わった未解決事件を、矢島がいる特命捜査対策室に持ち込めば矢島の顔に泥を塗ってしまう。

そういった事情から田川に回ってきたということだ。

 

田川は捜査を続けていくと、当時の初動捜査の杜撰さ、断定的な捜査方針のせいで貴重な証言者を見逃していたことを知る。

地道な地取り、鑑取りを続けていく中で、不良外国人の犯行ではなく、計画的な犯行の線が浮上してくる。

 

 

 

インターネットメディアの記者 鶴田は巨大なショッピングセンターやスーパー事業等を展開しているオックスマートを追跡取材をしている。

オックスマートは様々な事業を展開しているが、強引な取引や圧力を用いて、意図的に競合他社を潰し、自社を押し上げるかたちだった。

このやり方を鶴田は独占禁止法違反、「優越的地位の乱用」ではなにかと指弾した。

この他にも地元の商店街をつぶすショッピングセンターのやり方や、入っているテナントの問題などにも注目していた。

 

あるときタレコミが入った。

オックスマートの出入り業者であるミートステーションについてのものだった。

情報提供者に取材を進める中で、加工食品の混ぜ物問題を知ることになる。

ミートステーションはくず肉に各種大量の食品添加物を使用して「それらしいもの」を作っているという。

食品添加物がそれ単体であれば問題はないが、組み合わせた場合のデータはなにもなく、国も監視していない。

食品添加物を使用するのは食品ロスを減らす正しい目的のためであるが、ミートステーションは一線を越えてしまっているという。

 

取材を続ける中で、鶴田はオックスマートとミートステーションの関係性、食の安全について真実に迫ってゆく。

 

 

 

全く畑違いのような2つの出来事がどのようにして繋がっていくのか。

また、ショッピングセンターによる地方の衰退、加工食品の安全性などの問題にも触れた本作は、自分で考えようとしない現代人に対する問題提起となるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

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