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【あらすじ】友達以上探偵未満 麻耶 雄嵩

女子高生名探偵・桃青コンビ、誕生!キュートで企みに満ちた本格ミステリ

忍者と芭蕉の故郷、三重県伊賀市の高校に通う伊賀ももと上野あおは、地元の謎解きイベントで殺人事件に巻き込まれる。 探偵好きの二人はこれ幸いと、ももの直観力とあおの論理力を生かし事件を推理していくが!?

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作品紹介

松尾芭蕉生誕の地である、三重県伊賀市の伊賀野高校に通う女子高生の 伊賀もも上野あお

二人は名探偵を目指して日々精進している女子高生探偵である。

すでにいくつかの事件の解決に協力しており、その実績から「桃青コンビ」と称されている。

世界の中心になれる名探偵に憧れた直感力のあるもも。

世界の観察者となり、世界を解剖して理解することが向いていると思うあお。

それぞれの長所を生かした推理で探偵として切磋琢磨し成長していく二人を書いた作品。

そんな桃青コンビが遭遇する3つの事件「伊賀の里殺人事件」「夢うつつ殺人事件」「夏の合宿殺人事件」の短編作品となっている。

 

伊賀の里殺人事件

ミステリ研がなかったため、仕方なく在籍していた放送部の活動で「伊賀の里ミステリーツアー」の取材に訪れた二人。

伊賀の里ミステリーツアーとは、松尾芭蕉生誕の地である伊賀市を盛り上げようと計画されたもので、市内に点在する名所をクイズ形式で巡っていく企画である。月に2度土曜の午後と日曜の午前の2日間かけて行われており、上位入賞者には俳聖殿に自作の俳句が飾られる。

参加者は芭蕉の衣装か色違いの忍者装束に身を包み、それぞれに準備されたクイズラリーのコースを回る。

 

今回の参加者は8人で

芭蕉の衣装』を着た会社経営者の広小路正樹

正樹の姪で『黒忍者』の広小路愛希

愛希の又従弟である『青忍者』の広小路陽太

 

兄妹で参加している兄の『青忍者』上林佑紀と妹の『黄忍者』絵梨子

その友人で『芭蕉衣装』の西大手晴清

 

自称芭蕉の末裔、ネオ芭蕉こと『黄忍者』猪田道夫

『黒忍者』の衣装にで口元を隠し素顔を見せなかった茅町一郎

 

2日目の日曜の午前に事件は起こった。

ゲリラ豪雨のあと俳聖殿で『黒忍者』茅町一郎が殺されていた。

首には黒いロープが巻きついたままで、顔は蓑に埋めるように倒れていた。

衣装の中には首のロープとは違う種類のロープが懐から発見された。

現場には『黒忍者』愛希のものであるたばこの吸い殻が3つ落ちていたが、愛希は足を痛めたためももと一緒にいたためアリバイがあった。

警察の捜査により茅町は偽名で本名は「丸山佐助」という。

ももはこれを芭蕉の俳句である「初時雨猿も小蓑をほしげなり」の見立て殺人ではないかと意見を出す。

桃青コンビと警察は、たばこの吸い殻が愛希に罪を着せる単純なアリバイトリックだと見抜き、結果として愛希にストーカー行為をしていた佑紀が容疑者として浮上してくる。

佑紀が重要参考人として警察に連れていかれしまい、心配した絵梨子と西大手が二人の下へ相談にやってくる。

悲劇はこれだけで終わらなかった。

事情聴取のためホテルに集められた関係者のうち、愛希が浴槽で殺されているのが発見された。

遺体の傍らにはカエルの置物が置かれていて、またも芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」の見立てのようだった。

第1の事件の容疑者だった佑紀には犯行は不可能と思われたが、見張りの警官が居眠りしていたため犯行は不可能ではなかった。

桃青コンビは、ももの兄で刑事である空から情報を得て、推理を進め犯人を暴こうとしていく。

 

夢うつつ殺人事件

桃青コンビの同級生で美術部の相生初唯は、うたた寝の最中に同じ美術部員の愛宕匡司の殺害計画を耳にしてしまう。

夢うつつだったため聞き違いだったかもしれないと思っていたが、鞄に赤い手形をつけるいたずらをされてしまう。

それは17年前に死んだ女子生徒の幽霊だと噂されていたものと同じで、うたた寝のときに聞いていたのは殺人計画は本当で、自分は脅迫されたのではないかと考え始める。

このことを相談された桃青コンビは調査することを了承するが、次の日に愛宕が計画通り殺害されてしまう。

愛宕の殺害と相生への脅迫

ふたつの事件にはつながりがあるのか。そして真犯人は誰なのか。

桃青コンビが事件に挑む。

 

夏の合宿殺人事件

時間が遡り桃青コンビが出会って間もない中学2年の頃の話。

所属していた文芸部の夏合宿で訪れた合宿先で同じ中学のバレー部員が殺されてしまう。

ももとあお、それぞれが探偵になることを目指すようになった経緯を語りつつ、初めて2人で推理を進めていく事件。

事件現場は合宿所の3階のつきあたりの部屋で、被害者が3階に上がってからは誰も行き来していない。

容疑者は文芸部と同じ時期に合宿に来ていたバレー部員で6人に絞られる。

被害者は頭を廊下側に向けて倒れており、靴下が少し脱げて上半身を抱えて引きずられたような状態であった。

さらに被害者の髪が数十本切られていた。

ももは自分の直感を信じ、あおは論理的にそれぞれ推理を進めていく。

まだまだ探偵見習の2人は真実にたどり着けるのか。

 

感想

表紙の印象通りライトな読み口の作品

どの短編も殺人事件を扱っているが、身近な人が被害者になっていても推理に好奇心が向かっているところが話の都合上ではあるが軽い感じがした。

しかし、推理ものとしてはちゃんとしているので安心して読める。

ページ数も280ほどで気軽に読めるのもいい点。